Baby Journal

不妊をテーマとしています。

不妊の現状と要因①「晩婚化」

現代の妊娠を取り巻く環境は悪化傾向である。

悪化している主な要因は3つあり、晩婚化、健康状態の悪化、そして医療の発展などだ。最後のものには疑問を持つ人もいるかも知れないが、実はこれが最も重要かもしれない。

 

晩婚化と不妊の関係

 まず現状の把握として現代がいかに晩婚化しているかを見てみよう。比較的新しい統計として平成23年度のデータを見ると初婚年齢が年々上昇していることがハッキリとわかる。

 

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平成23年人口動態統計月報年計より

さらに昔と比較するため、内閣府が公開している最も古い統計を見てみると「1908年(明治41)で、夫:26.8歳、妻:22.9歳」であり、その後の統計でどんどん上昇して今に至る。現代のカップルはなかなか結婚しないのだ。

 

生殖能力は年令と共に衰えていく。男性では35歳くらいから性機能が低下していき、精子力(量、濃度、運動率、奇形率)が悪化していく。女性も30歳を過ぎると性機能が衰えていき40歳を超えると妊娠が困難になってくる。これは卵子の質が著しく下がってくることに起因している。さらに50歳くらいで閉経すると完全に不可能になってしまう。

女性が子供をつくれるのは35歳が最終ラインだと言う人が多いが、これは事実で「生みたいなら真剣に焦らないといけないライン」、そして「2人欲しいなら手遅れになりかねないライン」なのである。

 

生物学的に見ると男性であっても女性であっても10代後半から20歳前後が最も妊娠しやすいのは明らかな事だ。このことは人類の歴史を見ているとよく分かる。

古代の人類といってもキリがないので文明が出来てきた弥生時代を見てみると、平均寿命は20歳くらいである。子供の死亡率も加味されているとはいえ、体の発達が完了した時点で子供をつくり、健康な内に子供を育てないと種を存続させることは出来ないのだ。

こんな時代が文明が発達した近代よりも遥かに長く続いたのだから、人類の遺伝子は10代後半から20歳前後での妊娠・出産で最適化されているのは当然なのだ。人類の進化はまだまだ晩婚化に適応できておらず、近代に生まれた「医療」で補填しているに過ぎないのである。